意 見 書     
   
平成 17年 6月 1日
  熊本県知事 潮谷 義子 様
   
下益城郡城南町塚原2016番地
特定非営利活動法人 熊本県民天文台
台長  艶島 敬昭 
 
       
  1  店舗の名称及び所在地
    スーパードラッグコスモス城南店、ファッションセンターしまむら城南店
熊本県下益城郡城南町大字東阿高字穴町312番1 外8筆
       
  2 意見
     平成17年3月11日に開催された当該店舗の大規模小売店舗立地法説明会での設置者等による説明と、当法人における調査の結果などに基づき、上記設置予定店舗の店舗照明や開口部設計、屋外照明等について、光害防止の観点から大幅な改善をお願いしたく意見を述べます。  
       
 
1)
説明会時に提示された店舗設計では、開口部の多い店舗の正面が東の方角に面しており、建物外壁への照明を設置し、駐車場照明に投光器型照明を採用するなど、多量の漏れ光が発生するのは明らかです。北側に隣接する浜戸川沿いの野鳥の生息地や静穏な周辺の夜間環境に大きな影響を与えるばかりでなく、設置予定地の東約1kmと至近距離にある当天文台の一般公開業務や天体観測に大きな支障を来すと予想されます。従って設計を変更するなどして光害対策を重点的に実施していただくよう改善を要望します。  
       
 
2)
特に、店舗外壁面の照明や投光器を使用した駐車場照明では、多量の漏れ光が発生することが必至だと予想されます。照明器具メーカーの資料でも、投光器型照明器具では漏れ光が発生し問題となっていることは明らかです。上方光束ゼロの照明器具を採用して配置設計を変更されるなど、確実な対処を要望します。  
       
 
3)
熊本県民天文台は、城南町で23年間にわたって一般の方々への公開天体観望会を行っておりますが、これは今日では全国に拡がっている公開天文台設置につながった先駆的な取り組みであり、ボランティア活動による長年の活動実績は他県には例のないもので、近年の非 営利活動組織(NPO)による社会活性化の先駆けでもあります。地域住民による幅広い支援と併せて城南町が誇る文化的な資産ともなっています。天文台の一般公開では、午後7時から午後10時までの公開時間帯に家族連れを中心に年間多数の市民が訪れ、星空の観察を通じて宇宙や天文学について学習したり、夜の暗さの中で親子の心のふれあいを深めたりしています。更に、熊本県民天文台では、特に彗星の継続的な観測に熱心に取り組んでいて、毎月観測報告書を機関誌とあわせて発行し続けており、国際的に認知された観測所番号(864)を取得しているなど、天文学上の貢献も行っております。彗星の観測にあたっては、観測画像の中に未知の小惑星を発見していて、2000年には「KUMAMOTO(くまもと)」を、2002年に「JONAN(じょうなん)」を国際天文学連合の承認の下に命名するなど、地域社会や地域文化への貢献も大きなものがあります。今回の出店により、特に午後10時までの時間帯に発生する漏れ光が天文台の活動に深刻で重大な影響を及ぼすことが予想されるため、適切な対策がなされるよう強く切望致します。  
       
 
4)
また、城南町は、町内に多数の「上方光束ゼロ型防犯灯」を設置するなど、ここ数年間の取り組みを経て国内でも有数の光害対策先進地となっておりますが、今回の店舗の設置計画にあたってはそれらの地域環境や地域の文化への配慮がなされた形跡がありません。出店者の都合による一律の店舗設計を押しつけるのではなく、「上方光束ゼロ」の屋外照明器具を採用するなど地域の特性と環境への配慮が重要だと考えます。  
       
 
5)
更に、熊本県では「漏れ光」や「光害」の防止のために条例を定めていて、設置者等は「条例に基づいた指導を受けた」としながらも、説明会では当該店舗の設置や照明計画等について「光害の防止」の必要性に付いて調査したり、光害防止対策に関する真摯な検討を行ったという状況ではありませんでした。ぜひ真摯な検討をお願いします  
       
 
6)
商業施設についての光害対策は、これまで店舗設計施工業者や設置者側にも行政側にも対策実施についての経験が乏しい新しい分野であると思われるため、安易な対応をとるべきではありません。また、当初設計のまま建設・設置してしまうと事後の改善には多額の費用がかかることなどが予想されます。今回の事例は熊本県の光害防止政策にとっても大変重要な設置例であるため、この際、改めて真剣な対策・対応を検討し、光害や漏れ光の発生を最大限に抑制していただきたく必要があると考えます。  
       
  3.添付資料      
     照明器具メーカーのパンフレット         1部